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2018年07月12日

家族信託、民事信託におけるお墓の権利の承継

委託者である母親か権利をもつ墓地がありますが、これも信託財産に入れたほうがいいですか?

 

ご質問の墓地の権利についてですが、結論から言いますと、信託契約に入れる必要はありません(入れる性質のものではないとも言えます。)。

 

墓地の権利等、祭祀の承継については、民法897条に規定があります。

 

(祭祀に関する権利の承継)

第八百九十七条 系譜、祭具及び墳墓の所有権は、前条の規定にかかわらず、慣習に従って祖先の祭祀を主宰すべき者が承継する。ただし、被相続人の指定に従って祖先の祭祀を主宰すべき者があるときは、その者が承継する。

2 前項本文の場合において慣習が明らかでないときは、同項の権利を承継すべき者は、家庭裁判所が定める。

 

このように、お墓等祭祀の相続については一般の相続財産とは区別され、誰が承継するかは、


① 被相続人(亡くなられた方)が指定した、祭祀を主宰すべき方

② 慣習に従う

③ 家庭裁判所が定める

の順序によります。

 ①は、必ずしも遺言等書面による必要はなく、口頭による意思表示でよいと考えられています。ちなみに、遺骨もこの規定に含まれます(判例)。ただし、誰が承継するか相続人間で揉める可能性がある場合は、公正証書等の書面で承継者を指定しておくべきでしょう。  

なお、お墓については念のため、管理するお寺等にご確認いただければと思いますが、届出等をすることにより永代使用権等の権利は次世代の主宰者に承継されるのではないかと考えます(お墓の土地を所有権でお持ちの場合は登記をすることになります)。

上記のとおり、墓地等の承継者は、被相続人が指定した方がいなければ慣習に従うことになります(慣習もなければ裁判所の調停等による)。
 

司法書士 大関 彰